裏面を読む―記載事項(日本道路公団)

 日本道路公団例規集管理編1(平成15年9月3日現在)には、平成11年4月1日営計第57号担当理事通達として、ハイウェイカード発売要領が掲載されており、同8条3項各号には、日本道路公団が発行するハイウェイカードの裏面に記載すべき事項が書かれています。


第8条 ハイウェイカードの様式は次のとおりとする。
(省略)
三 裏面には少なくとも次に掲げるものを表示する。
イ 「ハイウェイカード」の文字及び券面表示
ロ ハイウェイカードを使用した月日及び使用残数
ハ 使用上の注意事項の文言
「◆カード取扱の表示のある料金所及び日本道路公団の管理する高速道路で使えます◆換金できません◆折り曲げたり,汚したり,磁気に近づけないでください◆詳しくは販売場所備え付けの約款をご覧ください◆XYZは10, 11, 12月を示します」
二 作製番号11桁の英数字
ホ 発行番号12桁の英数字
へ 挿入方向を示す矢印


もっともこの記載事項はハイウェイカードの短い歴史の中で、微妙に変遷しています。また、文字のフォント等も頻繁に変わっています。以下、9つに分類してご紹介します。

JH-A型

1987年11月~1988年11月


こちらは、1987年11月の常磐道で使用開始してから、1988年11月頃まで製造された券で、A型と称しています。
A型の特徴は、以降の券とは大きく違い製作番号14桁と発行番号11桁と、桁数が異なります。
また、使用上の注意の文言も「◆カード取扱の表示のある料金所に限り使えます」「◆カードの使用方法等について詳しくは販売場所備え付けの約款をご覧ください」と異なっています。
なおですが、ハイウェイカード廃止後の払戻申込書の様式ではこの時期に付番された番号は考慮されておらず、またその旨の案内もありません。まあ、初期の初期で20年近く前の券なので残存数が少ないとみて、電話などの問い合わせで対応できると考えたと思われます。
しかし、当時は偽造券問題も記憶に新しい時期で、桁数と様式が異なってると、まさか偽造券!?のように勘違いしてしまったり、面倒を避けて問い合わせを躊躇ったりとした人もいたのではと考えると、若干不親切な案内かもしれません。

JH-B1型

1988年11月~1990年7月
こちらは1988年11月中に様式が改定され1990年7月まで使用された様式です。
この改定により、2006年まで使われたハイウェイカードの様式が確立します。
特徴としては、まず製作番号と発行番号の桁数が変更された点です。
そして、製作番号のDの位置が"団"の真下のママであったことから右寄りになり、また発行番号がの末尾が"ご"の真下のままであったことから左よりになっています。
そのため、製作番号末尾と発行番号の頭が非常に接近してしまっていることも、特徴として挙げられます。
使用上の文言やフォントについてはA型から変更ありません。

JH-B2型

1990年7月~1992年5月
こちらは、1990年7月から出現したB1型のマイナーチェンジしたものです。B1型と比較して記載内容の大きな違いは無いのですが、フォントが全体的に細くなったのが特徴です。特に発行 日本道路公団の部分と、上部の券面表示の桁区切りのカンマ位置は顕著に分かる部分です。しかしながら、製作番号の頭4桁のフォントは変更されていません。

JH-B3型

1992年5月~~1995年7月
こちらは、1992年5月から出現したB2型のマイナーチェンジのものです。B2型と比較しての変更点は"発行"の文字がやや大きくなったこと、”日本道路公団”の文字が割付けていたものをフォント変更、ボールド体に、中央揃えにしたこと、製作番号頭4桁のフォントが後ろ7桁と同じになった点が挙げられます。

JH-C型

1995年7月~1996年12月
こちらは1995年7月に様式が改定されたものです。大きく変わった点として使用上の注意の文言に変更が入った点です。
従前では「◆カード取扱の表示のある料金所に限り使えます」だったものが、「◆日本道路公団の管理する高速道路及びカード取扱の表示のある料金所に限り使えます」と赤文字部分の文言の挿入が有りました。また、従前「◆カードの使用方法等について詳しくは販売場所備え付けの約款をご覧ください」だったものが、青文字部分の削除が発生しました。
細かい点では、またフォントの変更が発生しています。
まず"日本道路公団"のフォントがB3型ではボールド体でしたが、C1型にて細いものへ変更。
また、上部の券面表示のフォントも変更されB1型に近いものとなりましたが、1のセリフの長さが異なっているため、同一ではなさそうです。
そして、製作番号のフォントが全体的に細いものに変更されています。

JH-D1型

1996年12月~1997年12月
こちらは1996年12月に様式が改定されたものです。1年足らずでまた使用上の注意の文言に変更が入りました。従前では「◆日本道路公団の管理する高速道路及びカード取扱の表示のある料金所に限り使えます」だったところ、て「◆カード取扱の表示のある料金所及び日本道路公団の管理する高速道路で使えます」と、及びの前後の文言を入れ替え、赤字の部分に改正しています。また、製作番号のフォントが変更され、太字のものになりました。

JH-D2型

1997年12月~1999年5月
こちらは、1997年12月に出現したD1型のマイナーチェンジしたものです。変更点は1カ所だけで、使用上の注意の文言が小さくなり、その周りを"HIGHWAY CARD"のマイクロ文字で囲い、偽造対策を行った点です。

JH-D3型

1999年5月~2000年12月
こちらは、1999年5月に出現したD2型のマイナーチェンジしたものです。こちらも変更点は1カ所だけで、上部のハイウェイカードと券面表示にマイクロ文字でアンダーバーを追加した点です。
また完全な妄想ですが、公式にハイウェイカードの偽造の発覚は1999年5月とされています。これを受けて同年8月にセキュリティを高めた新型ハイカに切り替わります。しかし旧型ハイカでの偽造対策はD2型、つまり1997年12月から順次実施されていることが裏面を追いかけると分かります。このことから、道路公団は1999年5月以前から偽造ハイウェイカードが流通していることを認識していたのではないか?という邪推をしています。
もちろん、他のプリカの偽造問題を受けて先手先手として盛り込んだ可能性も否定は出来ませんが、テレカ偽造問題での320度数540度数の廃止は1991年であることから、肯定もしにくいと考えています。

JH-D4型

2000年12月~2005年3月

こちらは、1999年5月に出現したD3型のマイナーチェンジしたもので、公団最後のハイカ様式です。変更点は、マイクロ文字がさらに細かくなった点と製作番号のフォントが再度変更されました。



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